TL; DR;
OpenTelemetry Certified Associate (OTCA)を取得しました。
OTCAについて
OpenTelemetryは、ログやメトリクスなどのテレメトリシグナルを扱うためのオープンソースプロジェクトで、ベンダーニュートラルな仕様を策定しており様々なプラットフォームや言語で利用することができます。 最近のクラウドネイティブなアプリケーションではObservabilityのデファクトスタンダードして認識されています。
この技術に対してLinux Foundationが提供している認定資格がOpenTelemetry Certified Associate (OTCA)です。
- 形式: オンラインの監督付き多肢選択式試験
- 試験時間: 90分
- 有効期間: 認定後2年間有効
- 受験期間: 登録後12ヶ月以内に受験可能
- 再受験: 1回の再受験機会あり
- 費用: $250 USD (記事執筆時点)
試験範囲としては以下とされています。
- 可観測性の基礎 (18%)
- OpenTelemetry API と SDK (46%)
- OpenTelemetry コレクター (26%)
- 可観測性パイプラインの保守とデバッグ (10%)
資格自体が2024/12頃に発表されたため、まだ知名度も少なく試験自体も英語のためその点は少しハードルが高いかもしれません。
行った勉強法
試験対策としてではないですが、OpenTelemetry自体の学習として以下を行いました。
書籍の活用
OpenTelemetryの基本概念と実践的な知識を習得するために、以下の書籍を読みました。
この本は具体の実装についてではなく概念的な内容が多かったため、OpenTelemetryの全体像を把握するのに役立ちました。
まだ日本語版が出る前だったので原書を読みましたが、現在は日本語版もでています。
実践的な知識の習得
座学だけでなく、実際にOpenTelemetryを利用する経験を積むために簡単なアプリケーションを作成しました。 これにより、以下のような実践的なスキルを身につけることができました。
特にリポジトリなどにはしていませんが、Golangを利用してクライアントとサーバーを実装しそれらの間でコンテキストを伝搬させて、jaegerにトレースを送信するというものです。
アプリケーション側の計装を実際に行うことで、アプリケーション側コンポーネントについての理解を深めることができました。
試験を受けての感想
試験自体は初級とされていることもあり、難易度はそれほど高くなく92点で合格しました(全60問で合格点は75点)。 時間にも余裕があり1時間かからないくらいで終了しました。
上記の書籍を読み、ある程度OpenTelemetryを利用した経験があれば、特に問題なく合格できると思います。
強いて言うと、OpenTelemetryのパイプラインの部分についてはアプリ開発者だとあまり触れない部分と思われるので、自身で一度試してみるなどすると良いかもしれません。
まとめ
Observabilityに興味を持つ人間の端くれとして、資格という形として実力を示せたのは良かったです。 とはいえ、この資格はCKAなどとは異なり知識系なのでこれだけで実務に役立つかというと微妙なところです。 そのため資格を取ることに満足せず、きちんと自分で手を動かして学んでいこうと思いました。