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Observability Conference Tokyo 2025で初外部登壇した感想

2025-11-01

TL; DR

  • Observability Conference Tokyo 2025で初めて外部登壇をするまでの流れを書きました
  • やる前は外部登壇に高いハードルを感じていましたが、実際にやってみると全然恐れることはなく、チャレンジして良かったと感じています

はじめに

エンジニアにとって発信活動はコミュニティへの貢献やより良いキャリア形成につながる重要な要素です。 しかし多くの人はぼんやりとした憧れ・興味はあっても、いざ最初の一歩を踏み出すとなると尻込みしてしまうのではないでしょうか?

私もその一人で、カンファレンスに参加するたびにいつかは自分もと思いつつも中々実行に移せずにいました。 そんな中、2025年10月27日に東京は中野セントラルパークカンファレンスで開催されたObservability Conference Tokyo 2025で初めて外部登壇を果たすことができました。

この記事では、私が初めて外部登壇を経験するまでの過程とその感想を共有します。 外部登壇してみたいけど踏み出せないでいる方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。

Observability Conference Tokyo 2025とは

Observability Conference Tokyo 2025(以下o11ycon)は、observabilityに特化したカンファレンスであり、2025年が初開催となるイベントです。

公式サイト曰く、

Observability Conference Tokyo 2025は、オブザーバビリティに関心がある人 — SRE、プラットフォームエンジニア、インフラエンジニア、アプリケーションエンジニア、フロントエンドエンジニア、運用管理者、オンコール担当、CTO、CIOなどのサービス運営に携わる全ての役割の人たちが集まり、知見を共有しあうカンファレンスです。長く実践している方はもちろん、関心があるがまだ始められていない方も、いままさに取り組み始めたばかりの方も歓迎します。

この1日を通して、技術やツールの話はもちろん、現場の課題や工夫、組織・文化の壁をどう乗り越えるかといったリアルな知見を共有しあい、参加者どうしがつながる場を目指します。

ともに「見る力」「わかる力」「伝える力」を高め、 次の一歩を見つけましょう。

という趣旨のイベントとされています。

初開催とはいえCloud Native DaysやPlatform Engineering Kaigiなどを主催する一般社団法人クラウドネイティブイノベーターズ協会が主催しており、公式サイトや当日の運営・内容も非常にしっかりしたイベントだと感じました。 主催者の発表によると、現地参加約450人・オンライン視聴者500人超と結構な規模のイベントだったようです。

このイベントに登壇するためには、スポンサーセッションもしくはプロポーザルを提出しての採択が必要で、私は後者のチャネルで登壇しました。

登壇時の自分の立ち位置

読んでいる人の参考になればと思い、登壇時の自分の立ち位置を簡単に紹介します。

  • 某SIerの全社技術部門でSREエンジニアとして勤務
  • 社会人歴3年目
  • CloudNativeDaysなどのイベントへの聴講経験はあり
  • LTなどを含めても外部登壇経験はなし
  • このブログや会社テックブログ等での技術発信は継続的に実施していた

このように、完全に社内に閉じていたというわけではないものの、社外の人と公式の場で技術的な内容を共有するのは初めての経験でした。 この記事の読者の皆様と大きくは変わらない立ち位置かと思います。

登壇内容

実際の登壇の流れや感想の前に、(宣伝も兼ねて)私の登壇内容について簡単に紹介します。

タイトルは「外接に惑わされない自システムの処理時間SLIをOpenTelemetryで実現した話」というもので、決済システムの決済APIに対するベンダーデフォルトのSLIメトリクスが役に立っていなかったことを課題意識とし、OpenTelemetryのBaggageという機能を活用することで、見る人の意思決定に役立つようなSLIを実現しよう、という内容のものになっています。

公式サイトのセッション紹介やSpeakerdeckの登壇資料は公開されているので詳しくはそちらをご覧ください。 また、現時点では当日のアーカイブは公開されていませんが、後日公開されるようです。

登壇の流れ: 応募のきっかけ

もともとこのイベントの存在を知ったのは社内の同僚からの紹介で、6月か7月ころだったと記憶しています。 その時点では応募しようということは1ミリも考えておらず、あくまでもObservabilityに関するカンファレンスなので参加してみようという程度の認識でした。

登壇を考え始めたのは8月後半になってからで、プロポーザルの提出が2日後に迫っているタイミングの金曜日でした。 ちょうど本業が落ち着いたタイミングで業務で得た知見を社内に発信することを検討していたこともあり、応募するだけなら特にリスクもないしいい機会なのでせっかくなので応募してみようと思い立ちました。 他の登壇者の方々と比べるとかなり雑な動機での応募で、通ったらいいな・外部登壇できたらかっこいいのでは?くらいの軽い気持ちでした。

ただ、私は外部登壇のハードルを高く感じており、時間のない中でえいやと決断し即応募したことは結果的に良かったと思っています。 もしある程度時間に余裕があったらだらだら考えて結局応募しなかったかもしれません。

登壇の流れ: プロポーザル提出

金曜日に思い立ったということは(私のような大規模な会社は特に)、実質的にその日のうちにプロポーザルを完成させて提出する必要があるということです。 他部署のプロジェクトの内容ということで偉い人に許可を求める必要があり、それすなわち提出する内容もそれより前に概ね完成させておく必要がありました。

いずれにしても時間がなかったわけですが、今回の場合には以下のように合計2000字程度の作文がプロポーザルだった(CfP)ため、なんとか間に合わせることができました。 他のカンファレンスのプロポーザルがどのような形式なのかはよく知らないですが、スライドなどが求められていたら断念していたと思うのでラッキーでした。

  1. 発表タイトル、概要(500字以内) この項目は、採択時にイベントのタイムスケジュールに公開されます。参加者が内容をイメージでき、聞きたくなるようなタイトルと概要が望ましいです。
  2. 参加者が得られる学び (500字以内目安) あなたの発表の想定参加者と、その参加者が得られる学びや、参加者に期待する行動や気持ちの変化を教えて下さい。 この項目は、プロポーザル審査用の項目であり、外部には公開されません。カンファレンス運営スタッフのみが閲覧します。
  3. 発表の詳細 (1000字以内目安) 応募時点における、あなたの発表の詳細を教えて下さい。ある程度想定で構いません。 アウトラインやデモ内容、各章で伝えたいことなどをわかりやすく伝えてください。話そうと思っていることはすべて書く!くらいの気持ちでちょうどいいかもしれません。 また、オブザーバビリティにおける「見る力」「わかる力」「伝える力」のどれにフォーカスした発表か教えて下さい。もちろん、全部でもOKです。 この項目は、プロポーザル審査用の項目であり、外部には公開されません。カンファレンス運営スタッフのみが閲覧します。

1番については公式のセッション紹介にそのまま使われているのでそれをご覧いただければですが、2と3については公開されていないので私がどのような考えでプロポーザルを書いたのかを軽く紹介します。

まず考えたのはターゲットとなる参加者です。 ここは今回結構難しく、他のカンファレンスであれば過去の回のセッションを見た上である程度の想定参加者像(こてこてのディープな技術なのかプロセス的な話なのかなど)を設定できるのですが、今回は初開催ということでこの方法は使えません。 そこで今回は想定ターゲットを広めに取り、Observabilityが組織にどう貢献するのかを知りたいマネージャー層から、実際にObservabilityを日常的に活用するエンジニア層まで幅広く想定しました。

このターゲット層を踏まえると、最初から技術全開ではなく、組織にどういう課題がありそれをObservabilityでどう解決するのかという大きな話から入り、技術的な話は後半に持ってくる構成が良いと考えました1。

この構成を踏まえて、章立てや各章で伝えたいことを箇条書きという形で整理しそれをプロポーザルの3番に落とし込みました。 1番・2番についてはその内容を踏まえて、想定ターゲットのそれぞれが聞いた時に何を得られるのかを想像しながら書きました。

登壇の流れ: 採択

9月の上旬くらいに採択結果のメールが届き、無事に採択されました。

ただ正直なところまさか採択されるとは思っていなかったので、嬉しさもあるものの準備をどう進めていくかという不安の方が大きかったです。

登壇の流れ: スライド作成・発表準備

無事採択されたのであとは当日の発表に備えるだけですが、当然本業もあるのでそれと並行してスライドを作成していく必要があります。 とはいえプロポーザルの時点で章立て・項目レベルの構成を整理できていたので、あとはそれをわかりやすい形で肉付け・スライドに落とし込んでいくだけでした。

スライドを作成するにあたっては、社内向けの資料よりもさらに広い範囲の人がみることもあり、伝わりやすさを最大限に意識して文字ではなく図中心のレイアウトを心がけました。

最終的に発表1週間前くらいにはスライドはほぼ完成し、話す内容をスピーカーノートにメモした上で時間測って話す練習を行いタイムマネジメントできるように準備をしました。

登壇の流れ: 当日

登壇をするといっても発表する以外の時間は通常の参加者としてカンファレンスを楽しみました。 私の出番は17:00からの最後の枠だったので少し緊張あったものの、ほぼ全てのセッションに参加しスポンサーブースのスタンプラリーも全部回収しました。2

戦利品の例

いざ出番になると、うまく話せるだろうか・スカスカだったらどうしよう・ネガティブな意見が出たらどうしようなどの不安もありましたが、いざ話し始めると意外と落ち着いて話すことができました。 立ち見がぎりぎり出ないくらいのちょうど良い(?)人数の方に聞いてもらえることができ、話している時もうなづいてもらえたりしていたので安心しました。

発表が終わった後には質問コーナーがありましたが、ここでも5,6人の方から質問をいただき、非常に有意義な時間だったと思います。

初外部登壇を終えての感想

つらつらと登壇までの流れを書いてきましたが、最後に初めての外部登壇を終えての感想を書いて締めくくりたいと思います。

一言で言うと、「全然恐れることはなく、今回チャレンジして良かった」です。

やる前は外部発表をする人は超人で自分には無理だと思っていましたし、実際に登壇するまで不安もありました。 しかし実際にやってみると、自分からすると多少不安がある内容だったとしても、他の人からすると面白い・価値のある内容であることも多いということがわかりました(あとでエゴサしたら嬉しい意見も多数ありました)。

エゴサ例

もちろん応募である以上落選する可能性もありますし準備は大変ですが、少なくとも私の場合は得られるものの方が大きかったです。 今回だけではなくこれからも積極的に外部登壇にチャレンジしていきたいと思います。

外部登壇に興味があるけど踏み出せないでいる方がこの記事を読んで少しでも外部登壇やってみようという気持ちになれたなら幸いです。

Footnotes

  1. などとあたかも戦略的に書いていますが、技術全開な内容を書くには私の実力は足りないので自然とこうなったという側面もあります ↩

  2. 貴重な機会なので当然スタンプもらってすぐ撤退するのではなく各社の担当の方とちゃんと交流もしてきました。初めて聞く会社を知ることができたり、似たような製品間の違いなどが聞けて有意義でした。 ↩

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